【おつまみ物語vol.4】あられで人と人を繋ぐ〜地元愛溢れる老舗の商品開発秘話(美濃屋あられ製造本舗さんの「スモークピー柿」後編)

おつまみ 洋酒パッケージ

いつもお世話になっている老舗あられメーカーの美濃屋あられ製造本舗さんへのインタビュー記事の後編です。

前編は工場を探訪させていただき、あられができるまでの製造工程などをじっくりお伝えしました。

あられがどのように作られているのかを知れると、「このあられは、どんなきっかけで生まれたのか」に興味が湧いてきました。

そこで、工場探訪終了後に代表の小森さんにお時間をいただき、美濃屋あられ製造本舗さんの事務所でお話を伺いました。 

美濃屋あられ製造本舗さん

1929年の創業以来、もち米100%のあられ・柿の種を造り続ける老舗あられメーカー。醤油、ざらめ、海苔といった「定番の味」以外も積極的に商品開発をし、少量多品種にラインナップすることで、たくさんの方に楽しんでもらえるあられ・柿の種を製造。食べて美味しいだけではなく、「食べて会話が弾む商品作り」をコンセプトに、食べる人に楽しんでもらえる商品作りを続けている。
URL:https://www.minoya-arare.com/

美濃屋あられ製造本舗の看板商品「横浜のあられ」とは

工場に隣接する直売所には、多種多様なあられが並んでいます。パッケージが可愛らしい「横浜のあられ」シリーズも売っていました。

美濃屋あられ製造本舗さんには、「横浜のあられ」というシリーズがあります。

「ビール発祥の地横浜」から生まれた横濱ビア柿、「ナポリタン発祥の地横浜」から生まれた横浜ナポリタン、さらには「バー発祥の地横浜」から生まれたスモークピー柿など、横浜にちなんだあられをたくさん製造されています。

おつまみデリでも、洋酒パッケージには「スモークピー柿」、ビールパッケージには「横濱ビア柿」を入れさせていただきました(ビールパッケージは提供終了)。

なぜ「横浜」にこだわるのか。その中でも、なぜこのテーマであられをつくられたのかなど、深堀りしてお聞きしました。

すべてのきっかけは、横浜港開港150周年

「従来は一般の消費者向けよりも、永谷園などの食品メーカーにあられを提供したり、スーパーへの販売や輸出の割合の方が多かったんです。」

美濃屋あられ製造本舗さんの事務所の一角で、そう話し始めた代表の小森さん。

そんな美濃屋あられ製造本舗さんが一般消費者向けにあられを作ることになったきっかけは、横浜港開港150周年を記念して2009年に横浜市で開かれた「開国博Y150」という地方博覧会でした。

もともと横浜で創業した会社だったので、横浜への思い入れが強かった小森さん。さらに、開国博Y150のイベントで多くの観光客が見込まれたことから、「横浜に遊びにくる観光客向けにあられを作ろう」と考えたのが始まりだったそうです。

新たに一般消費者向けのあられを作ることにした小森さんがかかげたコンセプトは、「横浜のストーリーを伝える」。

 仲の良い人に「横浜に観光に行ってきたよ」と話す時、ただ横浜名物を渡すだけではもったいない。「横浜って、こんな街でね」「横浜は●●が有名でね」のように、横浜自体に興味を持ってくれるような商品を作りたい、横浜というキーワードから会話のきっかけになるような商品を作りたい、という想いから、「横浜のストーリーが溢れるあられ作り」が始まりました。 

横浜にちなんだあられ第一号は「ビールに合うあられ」

横浜のことをもっと知ってもらうためには、どんなテーマのあられが良いか。社内でディスカッションした結果、「ビールに合うあられ」を作ることに。

なぜ、ビールだったのでしょう。理由は2つあったそうです。

1つ目は、あられ(柿の種)はもともとビールのおつまみとして、たくさんの人に愛されているということ。

2つ目は、ビール好きならご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、日本で最初のビール醸造所ができたのは、実は横浜。1869(明治2)年に「ジャパン・ヨコハマ・ブルワリー」が開設され、これは、あの「キリンビール」の前身でもあります。(キリンビールの歴史はこちら。詳細に書かれていて、面白いですよ。)

そして、当時この場所には水道が引かれていなかったので、井戸水を使ってビールがつくられました。その水井戸が、なんと美濃屋あられさんの会社の近所にあったそうです。

もともとビールと相性が良いことと、会社がビールにゆかりのある地だったこと。そんな理由で、記念すべき1つ目の横濱あられである、「横濱ビア柿」が生まれました。

野毛の居酒屋さんでの運命の出会い

横濱ビア柿を作ると、売れ行き好調。更なる拡販をと、小森さんはじめ社員のみなさんは近所の居酒屋などにビア柿を持っていき、取り扱ってくれるお店を探しに出かけます。

そして、たまたま入った野毛の居酒屋さんで、運命の出会いが。

隣に座っていた人と、ふとしたきっかけでおしゃべりをされた小森さん。聞けば、その方は「日本ナポリタン学会」のスタートメンバーでした。

実はナポリタン発祥の地は横浜とも言われ、一説には1927年(昭和2年)に横浜・山下町で開業した老舗の「ホテルニューグランド」が終戦後に提供したのが最初だとされています。

お酒を飲み交わしながらその人と仲良くなり、その後交流を深める中で、「そういえば、"ナポリタン味のあられ"って作れないのかな?」という話題に。そこから商品開発して生まれたのが、「横浜ナポリタン」でした。

もしあの時、あの居酒屋さんに入らなければ、横浜ナポリタンは生まれなかったかもしれません。そう思うと、人との出会いって本当にすごい。

なお、ナポリタン味の決め手となるケチャップは、日本で初めて作られたケチャップ「清水屋ケチャップ」の復刻版をたっぷり使って作られているそうです。 

※横浜ナポリタンはおつまみデリのパッケージに入っていません。気になる方は、ぜひ直接美濃屋あられ製造本舗さんのサイトからご購入ください!

さらに広がりを見せる「横濱シリーズ」

横浜が発祥のもの、まだまだあります。

「バー」をテーマにして生まれたのが、「スモークピー柿」というあられです。

横浜はバー発祥の地です。1860年、横浜の地に日本初の洋式ホテル「ヨコハマ・ホテル」が建てられました。そのホテルに併設されたプールバーが、日本のバーの始まりだとされています。

(完全なる余談ですが、横浜発祥のものって本当にたくさんあるんですね。ビールにナポリタンにバー。確か、アイスクリームも横浜発祥だと昔社会の授業で習った記憶が・・・)

バーで楽しめるあられ、特にウイスキーに合うあられを作ろうと生まれたのがこのスモークピー柿です。ピーナッツにスモークの風味をつけていて、これはウイスキーで使うピート(泥炭)から着想を得ています。

ウイスキーの本場スコットランドでは当時木材(木炭)が少なかったため、麦芽を乾燥させる製造工程に熱源としてピートを使っていたそうです。現在は乾燥技術が向上したこともありピートは必要なくなっていますが、「ウイスキーにピート由来の独特のスモーキーフレーバーを与えること」を目的に、今でも使われています。

横浜の燻匠である横浜燻製工房さんに特別に燻製してもらったスモークピーナッツと美濃屋あられ製造本舗の柿の種をミックスし、燻製の香りが新しいあられが生まれました。

スモークピー柿は、おつまみデリの「洋酒パッケージ」に入っていて、お客様からも大変好評なおつまみとなっています。  

 おつまみデリご利用者様へのメッセージ

最後に、小森さんからおつまみデリのご利用者様にメッセージをいただきました。

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おやつはひとりでも楽しめますが、兄弟や友達、会社の人など、会話をしながら食べるおやつの時間はもっと楽しいと思います。

ぜひ私たちのあられを食べながら、会話を楽しんでください。

「横濱ビア柿」横浜はビール産業発祥の地です。ビールは横浜の外国人居留区で産声をあげ、そこからあのキリンビールが生まれたんです。

ここがなければ、今のキリンビールはなかったかも?なんて話題にしていただき、日本のビールの歴史や横浜に思いを馳せて、ぜひお楽しみください。

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工場探訪を終えて

工場探訪とインタビューを終え、美味しそうなあられをたくさん買わせていただき、横浜行きのバスに乗りました。

もちろんマスクをして終始黙っていましたが、本当はバスの中の人たちに「あられってこんな風につくられてるんですよ!」「あのあられってこんな運命的なきっかけで生まれたんですよ!」と話しかけたくてしょうがなくなるくらい、興奮していました。

今まで何気なく食べていたあられに、こんなストーリーがあったなんて。

小森さんもおっしゃっていましたが、あられって、正座をしながら向き合って、真剣に黙々と食べるものではないと思うんです。

お茶を淹れて、身近な人と話しながら楽しむ。まさに、会話のきっかけ、会話を円滑にする潤滑油です。

小森さんのお話は、お聞きしながらぶんぶんと首をたてに振ってしまうことが多かったのですが、それはあられをコミュニケーションツールとしても捉えていらっしゃるからだと思いました。

おつまみデリはその名の通り「おつまみをデリバリーする」サービスなのですが、本当に届けたいのは、「そのおつまみを通じて皆さんの間に会話が生まれること」です。

美濃屋あられ製造本舗の皆さんも、そんな想いを持って一つひとつ大切にあられを作っていらっしゃるんだということを知り、胸が熱くなりました。

小森さん、美濃屋あられ製造本舗の皆さん、本当にありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします! 


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