【おつまみ物語vol.2】ライバル2社がベンチャー企業を創業〜生き残りをかけた老舗かまぼこ店の挑戦(三陸フィッシュペーストさんの「旅するかまぼこ」前編)

おつまみ 和酒パッケージ

おつまみ物語第2弾は、可愛いイラストが目にも楽しい、食べて美味しい「旅するかまぼこ」を製造販売する三陸フィッシュペーストさんをご紹介します。(おつまみデリの和酒パッケージに入れさせていただいています)

三陸フィッシュペーストさんとは?

2社の老舗かまぼこメーカーが手を組み、新しいかまぼこの可能性と価値を追求し、その仕組みや商品の研究開発をすべく設立されたベンチャー企業。「子供たちの笑顔のために」を理念に掲げ、より多くの子供たちが安心できる、より安全な食品を作り続け、若者が楽しんで取り組めるモノづくりのモデル企業になることを目指している。
URL:https://sfp-ok.com/

「旅するかまぼこ」とは?

不可能と言われた「かまぼこを常温保存する方法」を開発し、業界に革命を起こした常温かまぼこ製品。もぐもぐプレーン、うまうま牛タン、すきすきチーズの3種類がある。 


 
本日お話をお伺いしたのは、三陸フィッシュペーストの共同代表取締役副社長であり、株式会社かねせんの代表取締役でもある斎藤さんです。


三陸フィッシュペースト代表取締役社長であり株式会社及善商店専務取締役の(宮城県南三陸町)及川さん(左)と、 共同代表取締役副社長であり株式会社かねせん代表取締役の斎藤さん(右)

右肩下がりのかまぼこ業界

かつてかまぼこは大きな産業でした。特に宮城県では「笹かまぼこ」がブランドとして有名で、最盛期、気仙沼にはかまぼこメーカーは50社以上ありました。
しかし、2021年現在。気仙沼にあるかまぼこメーカーは、斎藤さんの会社を含めて2社にまで減少しています。

 人口の減少や食文化の変化などにより、かまぼこの生産量は右肩下がり。かつては結婚式の引き出物で必ずと言っていいほど入っていたかまぼこも、いつの間にか洋風のオシャレなものに取って代わられました。

「急速な落ち目の産業だった」
と斎藤さんは言います。

このままでは、かまぼこという産業自体がなくなってしまう。
そんなとき、同じ危機感をもった人に出会います。それが、同じく宮城県内のかまぼこメーカー及善商店(宮城県南三陸町)の及川さん。

おふたりとも「東北未来創造イニシアティブ」主催の「気仙沼市人材育成道場経営未来塾」に参加していて、及川さんは3期、斎藤さんは4期の参加者だったそうです。

お互いにライバル企業ということで名前は知っていたものの、参加している期が異なるので面識はなかったそうなのですが、経営未来塾の講師の先生が「同業種だし、話してみたら?」と引き合わせてくれたそう。

たがいに持っている危機感を共有した二人は意気投合。ライバル会社であっても手を組んでやっていかないと、かまぼこ業界に未来はない。

そして老舗のかまぼこ店2社はタッグを組み、ベンチャー企業を設立します。それが、この旅するかまぼこを生んだ、三陸フィッシュペースト株式会社です。

ただ、斎藤さんによると・・・

「半分ノリで作っちゃったんですよね(笑)」

「2社同時に原材料を仕入れたら原価が下がりそうじゃない?」とか、「2社協力して、業務改革をやっていけたらなんか良さそうじゃない?」というくらいふわふわした状態で会社を作ったため、具体的にこの会社で何をやるか、どうやって売上をあげていくか、といったプランは何もなかったそうです。(えええええ!?と思わず笑ってしまいました)

「ノリで会社作っちゃった」と笑う斎藤さん。きっと開発中はたくさんの葛藤や悩みがあったと思いますが、ユーモアに溢れたお話ばかりで終始笑いのたえないインタビューでした。

そんな感じだったので、初年度の売上は16万円。月間ではなく、年間です。

斎藤さんの言葉をそのままお借りすると「そこからさらに迷走していった」。何かを変えなければならない、でも、何を変えたらいいかわからない。

そして二人はインドネシアに飛び立ちます。(なんでいきなり!?とまた笑ってしまいました。)インドネシアは人口が多く、かつ人口が増えている国でもあります。将来的な需要があるのではと思い、事業の種を探しにでかけたそうです。

そこで目にしたことが、旅するかまぼこ最大のウリである「常温保存できるかまぼこ」のアイデアにつながっていきます。

不十分な冷蔵設備の中で感じた、子どもたちへの想い

インドネシアに降り立ったお二人。

滞在する中で見えてきたのは、インドネシアの人たちの、家族を大事にする素晴らしい文化でした。
ただ当時、現地はコールドチェーン(生鮮食品を生産・輸送・消費の過程で途切れることなく低温に保つ物流方式のこと)が整っていませんでした。

その結果、彼らが愛する子どもたちに食べさせているのは、衛生的に見ていて心配になるような状態の食べ物ばかり。

場所を問わず、子どもたちに安心なものを食べさせてあげたい。冷蔵設備が充実していないのなら、常温でも安心して食べられるものを作りたい。

そんな熱い想いを持って日本に帰ってきます。それが、ふたりが「常温で美味しく食べられるかまぼこを作りたい」と思うきっかけでした。

後編は、この想いをどう実現していくか。お二人のあくなき挑戦が始まります。


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